【エギング行動学】フォールが重要な理由〜アオリイカの視野と触腕の性質

エギングにおいてアオリイカを狙う時、シャクる事と同等に重要視されるのがフォールです。エギングの経験がある方は意識せずともフォールを駆使しているのと思いますが、今回はフォールがどうして大切なのかをアオリイカの体の構造から解説します。

■フォールを入れるタイミング

●フォール=抱かせる

フォールをさせるタイミングは大きく分けると2つあると思います。1つは棚を取る時で、もう1つはシャクった後です。

 

前者はキャスト後に任意の棚まで沈めます。後者はシャクってアオリイカにアピールした後に食わせの間としてフォールを入れます。

 

活性が高い時は棚とりのフォールだけで抱いてくることもあるようにフォール=抱かせる ということです。

 

これがどうして成り立つのか、身体の構造から見てみましょう。

■アオリイカの視野(視軸)について

●身体の斜め下が見易い

視野について解説します。アオリイカの視力は水生生物の中でもとても高いとされており、0.6〜0.9と言われています。

 

その中でも彼らが見易いとされる視野があります。それは、

 

「身体の斜め下」です。

 

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アオリイカは画像のように斜め下によく見えるポイントがあります。

 

これは人間が何かを見ようとする時にか顔をそちらに向けるのと同じでアオリイカも気になる標的が現れるとそのポイントに身体を正体します。

 

アオリイカの場合、ターゲットを発見した場合、その角度にターゲットが写るように自分の身体の向きを変える傾向があります。

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このようにターゲットが自分よりも上にいる場合は自分の身体を傾けて見やすいポイントで捉えます。

 

ちょっと詳しい話

*眼球には網膜があり、光を感知する視細胞があります。網膜の中にはこの細胞の密度が高い部分があり、水晶体の中央と結ぶ方向が一番見やすいとされます。これを視軸と言います。アオリイカの場合この視軸が身体の斜め下とされています。

■触腕の形状維持について

●直線状態をキープするのが難しい

触腕で餌にアタックして捕食することはアオリイカに限らず、イカの仲間では有名な話です。

 

この触腕ですが、伸び縮みはするのですが、形状を記憶させることは少し苦手みたいで、アオリイカはその傾向が顕著です。

 

簡単に言うと伸ばした状態でピーンとすることが苦手なのです。よって触腕の先端は重力方向に逆らわずに少し下向きになります。

 

これを踏まえて捕食確率について考えます。自分よりも上にいるターゲットと下にいるターゲット、どちらが捕らえる確率が高いか、もちろん下にいる方が断然高いのです。

 

*水槽の中では活魚を餌に投入することもあります。その際水面を逃げ惑う魚をアオリイカは果敢にアタックしますが、下から上へのアタックとなるため、びっくりするほどミスバイトが多くなります。

■結論

●アオリイカは上から下へのアタックが得意

アオリイカの視野、触腕の性質を踏まえるともうお分かりですよね。

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結論、アオリイカはちょっと下方向が見やすく、かつ上から下へのアタックが得意なのです。

 

よってエギのフォールはとっても重要です^ ^