メバリングにおいてプラグを使ったメバルプラッキングは今は常識となってきましたが、メバルという小型の魚を釣るのに大型プラグでも釣れる。いやビッグプラグの方が釣れるといった現象があります。
今回は大型のプラグでもどうしてメバルが釣れるのかを飼育員目線で解説してみたいと思います。
■メバルはそもそも大きいものにもバイトする
●飼育下でキビナゴは丸呑み、アジにも反応してアタックする
メバルプラッキングにおけるプラグの大きさを考える前に、そもそもメバルはどんな大きさの餌を食べるのかを把握しましょう。
飼育下におけるメバルは水槽に慣れると色んな餌を食べます。嗜好性は多岐に渡り、イサザアミやオキアミと言った動物性プランクトンから、キビナゴやアジといった魚類も食べます。
ところでその餌のサイズ、大きさに注目しましょう。
一番下はメバルプラッキングで良く使われるサイズのミノー(Smith ガンシップ36mm)です。
真ん中は普段水槽のメバルが良く食べるキビナゴ(約75mm)です。
こちらは実際の餌やりの様子です。
大きなキビナゴにメバルが群がります。
この後はキビナゴを頭から丸呑みしていきます。
前述の通りキビナゴのサイズは70mmオーバー。余裕で食べます。(メバルのサイズは20cm前後です)
そして極め付けは冷凍アジ。全長にして130mm。流石にこれは食べられませんが、落ちていく冷凍アジに果敢にアタックすることがしばしば見ららます。
このようにメバルはアングラーの皆さんが思う以上に大きなものに対して口を使います。
■プランクトンを食べる場合でも大型プラグで釣れる理由
●プラグを1匹と捉えず、群れと捉えているから
大型の餌をメバルが食べることは理解していただけたかと思いますが、イサザアミやオキアミと言ったいわゆるプランクトンパターンでも大型のプラグゲームが成立します。
まずこちらをご覧ください。
これはニホンイサザアミの生きた状態です。意外と生きた状態で見たことが無い方も多いのでは無いでしょうか?
サイズは10mm 幅は1mmあるか無いか?といったところ。
この1つ1つを、果たしてメバルは認識しているのでしょうか?
魚類の視力はクロダイなど目の良い魚でも0.6程度。メバルに関しては文献が見つかりませんでしたが、間違いなく0.6以下です。
と言うわけで、アミをはじめプランクトン1匹1匹をメバルは認識しているのではなく、群れ。塊、集合したものとして認識しています。プラグ1つを1つの群れととらえるのです。
となると、プラグが大きくても成り立つことが分かりますよね?逆に大きな群れ(プラグ)の方がメバルからしたら見つけやすいともなります。
◾️そもそも、どうしてプランクトンパターンでプラグが適するのか?
●常夜灯の光の屈折:カラーを選ぶなら透過するものを!
メバルプラッキングにおいて、成立するポイントの条件として常夜灯が挙げられます。闇磯でも釣れますが釣り方が全然違うのでここでは割愛させていただきます。
この常夜灯の光は走光性(光に集まる習性)の有る生物を集め、同時にそれらを捕食するメバルなどの魚類も集まります。
この状況で、プラグがメバルにどうやって見えるのか?それは光が屈折し、「そこに何かが有る」と思わせます。
光は性質の違う物体を通過するときに屈折するという性質があります。水中におけるプラグもまさしくそれに当てはまります。
特に常夜灯の光は放射状に発せられるのでプラグを通過した光は色々な方向に屈折します。
ここでもう一度生きたアミを思い出してください。半透明の身体のものが集まっている。いわゆる、アミの群れが常夜灯の光を屈折させることになります。
これはプラグ、特に大型のものと似たようなものだとメバルからは思わせられる可能性が示唆されます。
以上のことからも、光を屈折させると言う意味合いで、プランクトンパターンを打破することを前提にカラーチョイスをするならば、クリア系を選ぶことをお勧めします。
というわけで、大型のプラグでメバルが釣れることがお分かりいただけたかと思います。是非とも大型のプラグを投げてみてください!