メバルは日本沿岸に生息しているスズキ目の魚です。この魚はカラーバリエーションが豊富なため、100年以上前から、種類が違うのではないか?といった論争が繰り広げられてきました。そして2008年、ついにその論争に終止符が打たれ、アカメバル、クロメバル、シロメバルの3種に分類されたのです。
今回はその3種類の見分け方と特徴、そしてそれぞれの習性を飼育員が徹底解説します。また、タケノコメバルやカサゴといった間違えられやすい種類もご紹介します。
■メバルの種類を見分けるポイント
●体色と胸鰭の軟条数
種類を見分けるポイントとしては大きく2つが挙げられます。1つ目は体色で2つ目は胸鰭の軟条数です。
軟条とはこちらの鰭にある筋のことで、この筋の数がメバルの種類によって違うのです。
■アカメバル Sebastes inermis
●軟条数15 岩礁域を好む
アカメバルは赤色~オレンジ色、時には金色にも見える体色をしています。軟条数は通常15本とされています。
生息場所は外海の岩礁域に分布しています。警戒心が3種の中でも強い傾向があり、飼育すると石の下などに隠れて出てこなかったりもします。
闇磯での尺メバル狙いのメバリングをしていると、ヒットしてくるのはこのアカメバルが多いように感じます。
■クロメバル Sebastes ventricosus
●軟条数16 回遊性が高い 通称ブルーバック
クロメバルは背中側は黒っぽく、腹側は銀色の様な体色をしています。釣り上げた直後は背中側が鮮やかに青みがかって見えることからブルーバックなどと呼ばれたりもします。軟条数は通常16本です。
外湾の沿岸に生息しており、回遊性が強く、群れで移動する傾向があります。
■シロメバル Sebastes cheni
●軟条数17 内湾域に多く生息
シロメバルは背中側が茶色で、横縞が薄っすらと入ります。全体的に白っぽい体色をしています。
軟条数は通常17本で、内湾の静かな海に生息する傾向があります。
■料理したら違いはわかるの?
●身質や風味は若干違う
料理をした場合は3種に違いが出てくるでましょうか?
もともと同じ種類とされていただけに大きな差は有りませんが、3種を同時に食べ比べしてみると身質や風味が若干違います。
煮付けにした場合ですが、例えばクロメバルはフワフワとした食感であるのに対して、アカメバルは身が締まってしっかりとしています。
3種の食べ比べについて詳しくはこちらにまとめましたのでどうぞ→編集中
■沖メバルって何?
●トゴットメバル ウスメバル
沖メバルと聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?船釣りをする人でこう呼ぶ方も多いと思うのですが、標準和名でオキメバルという魚は存在しません。
沖メバルはトゴットメバルやウスメバルの総称です。
こちらはトゴットメバルSebastes joyneri メバルは沿岸域の浅瀬に生息しますがトゴットメバルは100m前後と比較的深場に居ます。
■タケノコメバルはメバルじゃない?
●全く違う魚
タケノコメバルという魚をご存知でしょうか?メバルと名前に付くだけに、メバルなのですか?とよく聞かれるのですが、全く別の魚です。
メバルは大きくても全長35cmくらいですが、タケノコメバルSebastes oblongusは全長50cmに達します。
いかがだったでしょうか?メバルの3種の見分け方、またメバルと名前に付いて混同しやすい種類をまとめてみました。
3種のメバルに関しては、メバリングに精通している人なら釣れるタイミングやポイント、釣れ方からどの種類のメバルかが予想がつくと言われます。
皆さんもこれを機にどの種のメバルなのかを意識してみてはいかがでしょうか?