豆アジの捕食行動から考察〜アジングにおける合わせの概念とテクニック

アジングにおいて合わせを入れることはアングラーの醍醐味です。同時にアジを釣り上げるための重要なテクニックの1つでもあります。アジングの合わせといえば、即合わせ、掛け合わせ、それに乗じて掛け調子のロッド、もっとコアに迫ると超高弾性カーボン仕様のアジングロッドなどが存在します。今回はそんなアジングの合わせについて、豆アジの捕食行動を観察した観点から考察してみたいと思います。

■アジングの合わせについて

●即合わせ、掛け合わせが必要な理由

合わせについて特にアジングにおいては即合わせ、掛け合わせが必要とされていることはアジングをしたことのあるアングラーなら常識としてご存知の方かと思います。

 

こちらの理由としては2つあり、1つはアジが餌やワームを吸い込んでバイトした時に、直ぐに吐き出すという吸い込み吐き出し行動があるからです。

 

特にアジングの場合は餌ではなくてワームなので吐き出す可能性が高いことから、バイトが出た瞬間に吐き出す前に掛けるというのが理想とされています。

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またもう1つは上顎に掛けたいからです。アジの口は上顎の頭部寄りの部分が硬いのでそこにフッキングを決めるとバレにくいとされています。逆に口の側面(頬の部分)は薄いので口切れからくるバレに繋がることより、即合わせを入れて上顎にフックポイントを決めようという魂胆なのです。

■アジングにおけるアタリとフッキング率

●乗り難い<20cm<乗り易い

合わせについてもう少し掘り下げましょう。状況や活性などの要素を除くと、20cmを境にフッキング率がぐっと変わります。20cm以上は容易く、20cm以下は難しくなります。

 

これは単純に口の大きさが起因します。アジは大きくなればなるほど吸い込む力も強くなり、かつ食べられる餌のサイズも大きくなります。

体の大きさと口の大きさが、それらに相似するといった方がいいかもしれません。

 

逆に20cm以下のいわゆる豆アジは吸い込む力も弱く口の大きさも小さいので弾かれるようなバイトが多発して乗りにくいとされています。

 

そこで豆アジの捕食行動を観察してみることにしました。

■豆アジの捕食行動を観察

●大きい餌がお好み!?

合わせの概念から少し離れて飼育員目線で少しお話をします。この夏に水槽の充実のため補充した豆アジと小サバの群れ。(サバは僕が釣って水槽へ入れてるんですよw)水槽に慣れたタイミングで餌を与えます。

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餌として用意した餌はアミエビとオキアミです。ご存知の通り、アミの方がサイズが小さくてオキアミは大きいです。

 

豆アジのサイズが15cm程なので口の大きさは大きく開けても5mm程度です。この口の大きさなので小さいアミエビを好んで食べるかな?と思ったのですが、どちらにも反応が良かったです。

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オキアミとアミを同時に撒くと見つけ易いのか、旨味成分が多いのかオキアミの方に食いに行くような気がしました。

 

このようにオキアミの大きさと豆アジングによく使うワームを比較すると何ならワームの方が小さい気さえします。

 

以上のことから、ワームはそこまで小さくしないでも豆アジは捕食できるということがわかりました。

■豆アジが餌をくわえてから飲み込むまで

●咥えたまま泳いでいることが多い

豆アジはオキアミくらいの大きさなら難なく食うことがわかったところで、食べ方について観察をしてみます。

 

豆アジはオキアミにバイトした後、実はしばらく咥える傾向がありました。

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このように咥えたまま30秒以上泳ぎ回っていました。

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こちらが30秒後(もちろん同一個体です)

この後最終的には飲み込んで摂餌完了となりました。

 

以上のことからアジングのアワセについて、特に豆アジングについて考察してみます。弾かれてばかりでなかなか乗らない豆アジのアタリ。

 

もしかするとバイトしてからワームの尻尾をだけを咥えて泳ぎ回っているってことも考えられますよね。

 

ということは送り込んだ方が実は良かったりする!?

 

という今までのアジングの即合わせ概念から全く逆の答えに行き着いてしまいました…。

 

オキアミとワームは違うし、飼育と釣りではまた違う。

 

だけど対象としている魚は同じ。

 

こちらに関しては実践を重ねてもう少し掘り下げてみる必要性がありそうです。