稚魚パターンと聞くと、アジングでもメバリングでも春に出てくる稚魚を捕食するアジやメバルを狙うものだとなんとなくわかるかと思いますが、どんなルアーや攻め方、カラーが良いのかは特に知られていない気がします。そこで自分の経験と考察からちょっとまとめてみようと思います。
■稚魚パターンの時期
●早春〜初夏
稚魚パターンの時期は春から夏前です。当たり前ですが、産卵の後にハッチアウトした稚魚が大きくなって大体3.0cm程になったタイミングで接岸します。
それを沿岸域でアジやメバルが捕食しにくる時をアングラーが上手く当てると稚魚パターン確立となります。
こちらは先日釣ったアジのお腹を割ったところです。稚魚パターンの時はこんな感じでお腹いっぱいに稚魚が入っています。
■どんな稚魚が居るのか?
●ボラの稚魚、イワシ、サバ
稚魚の種類について解説します。フィールドが海なので基本的には様々な稚魚が春先に産まれるのですが、アジング、メバリングにおいて最も多いのがボラの稚魚です。
全国どこの海域でも見られる稚魚で、九州の方では「ハク」と呼ばれ、ハクパターンなどとも言われたりします。
また、透明の小さな魚を岸壁で見かけることがあるかと思いますが、イワシの仲間であることが多いです。イワシの稚魚もベイトによくなります。
こちらは先日釣ったアジの胃から出てきた稚魚。一見ボラかな?と思いましたがよく見るとサバの稚魚のようです。サイズは3.5cmほどです。
■実は難しい稚魚パターン
●ナブラの中でも餌が多くて食わない
アミパターンやプランクトンパターンは「動かさない」「潮に乗せる」といったように止めて釣るゲームになります。よって難しいといったイメージがあるかと思います。では稚魚パターンは簡単なのか?というと実はそうではありません。
メバルやアジが稚魚を追うとバシャバシャと水面まで捕食音をたてて出てきますが、なかなか食わせきれない経験を何度もしたことがあります。
原因はベイトボケです。ベイトが多すぎてルアーを見てくれないことが多いんです。
■稚魚パターンにおすすめのカラーとワーム
●ピンテール系のホワイト系
稚魚パターンは難しいと書きましたが、釣れないのか?というとそうではなくて、しっかりとパターンにハマると爆発することがあります。
そこでオススメなのがこちらです。何の変哲もないホワイトのピンテールワームです。(スミス スクリューテールグラブ2.5)先日のアジングのヒットルアーでもあります。
まず、シルエットが違うのでは?と思うかもしれませんが、ちゃんとした理由があります。
■水中では稚魚の背中の色が濃く見える
●特にマズメ時
私は仕事柄よく水中に入ります。潜水業務です。その時に魚を水中で見るのですが、陸上で見るよりも背中が黒く見えることがあります。特に薄暗い環境だとそれが強調する傾向があります。
簡単な実験ではありますが、先日の稚魚を水中に入れてみました。
上が明るい状態。下が暗い状態です。背中を押して濃くなるのと合間って、背景と同化する傾向が見られます。残って見えるのはお腹側の白色のみですよね。
このお腹の白色の部分をピンテールワームのホワイト系でイミテートすると考えます。
■稚魚ベイトは基本的に水面を泳ぐ
●水面へ追い詰めるとベイトを腹側から見ることになる
ピンテールワームが有効な理由にはもう一つあります。それは、稚魚ベイトは基本的に水面を泳ぐ習性があるということです。状態にもよりますが、基本的に稚魚ベイトは海面付近を漂うように泳いでいます。そこへフィッシュイーターのアジやメバルが追いかけると必然的に水面へ追いやられます。
ということは、アジやメバルは稚魚ベイトを下から覗いています。
この状態です。稚魚はどんな種類でも身体に厚みがありません。つまり、細いシルエットでかつホワイト系のワームが有効になるのです。
アクションはもちろん表層のトゥイッチと短いポーズを組み合わせて誘います。
全ての稚魚パターンに当てはまるとは限りませんが、一つの選択肢に私はしています。