クロソイやタケノコメバルの面白い生態を垣間見た

クロソイは北は北海道から南は鹿児島と日本全国に分布する魚です。北海道や東北といった水温の低い地域で漁獲量が多いことからもこの魚が比較的冷水を好むことが考えられます。私がメインフィールドとする関西中部エリアでも水温が下がる時期に水揚げが確認されますし、仕事柄よく目にする魚です。

 

ありがたいことに、ルアーターゲットとなる他魚種が豊富な地域ということもあり今までそこまで狙おうという気は起こらなかったのですが、市場であり得ないほどのサイズの個体を見かけることから数年前からどんなところにいるのかをサーチしていました。

 

クロソイはカサゴ目メバル科に分類される魚類で、釣り人の間では根魚であったりロックフィッシュと言われています。よって海底のシモリであったりストラクチャーに着く生態を持っています。様々な図鑑を見ると生息水深は50〜100と記載されており、深場の魚ということです。しかし、浅場にも上がって捕食をするからオカッパリでの釣果を全国的に聞くので、こちらでも居るだろうと思い当たるところをここ数年探ってきていました。しかし、なかなか見つけることが出来ずにいました。

 

ところで海水魚は塩分濃度の低下を嫌うことをご存知でしょうか?海水に生息する魚は体液よりも海水の方が濃度が高い為、海水を飲んでエラから塩分を排泄し、水分のみを吸収します。深場は塩分濃度の低下がほとんど無いのでこれが顕著です。よってクロソイもそのような傾向があると踏んでいました。ちなみに淡水に生息する魚は体液の方が淡水よりも濃度が高いので、口から水はほとんど飲まず、排尿を多くすることで体液の浸透圧を調整しています。

 

そんなある日、餌釣りのおじさんからこの魚ナニ?と聞かれたことがありました。それがクロソイでした。実は前日に大雨が降り、場所としても明らかに塩分濃度の低下が懸念されるような場所。この時にすこし自分の中で概念が変わったのです。もしかしたら塩分濃度の低いポイントに捕食に入るくらいなら大丈夫な魚種なのでは?という推測が立ったわけです。代表的な例が河口であったり、汽水域です。確かに小魚も甲殻類も多いのでクロソイの餌場には適しています。

 

前振りが長くなりましたが、結果はすぐに出ました。数カ所回ってたどり着いた牡蠣殻、岩礁帯。テキサスリグのボトムパンピングで探ってくると手前の駆け上がり部に差し掛かったところで弾くようなバイト。ある程度送り込んでフッキングに行くとまずまずの重量感!スタッグされたら終わりなので一気に引き剥がすと顔を出したのはまずまずサイズのクロソイでした。

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ついに探し出すことが出来たことに満足していたのですが、思い当たるポイントがまだまだあるので探って行くと、ボトムをノックした瞬間に今度はひったくるバイト!

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タケノコメバルの登場でした。今回は釣れたことももちろんですが、今まで気にもしなかったポイントや魚の生態に気がつくことが出来たのが大きな収穫です。

 

今後はリグやタックルバランスなど、アプローチの部分を煮詰めていけばより良い釣果が得られる気がしています。

 

〜tackle data〜

rod:smith ロック用プロト

reel:Shimano Antares DCMDXG

line:pe3.0 leader nylon60lb

lure:smith 狂輪波

hook:smith GYオフセットフック3/0

sinker:smith TGバレットシンカー 3/4oz