タルイカを解剖、解体してみました!飼育員としては内臓系の構造に興味がありますし、何といってもせっかく釣ったのであれば美味しくいただきたいものです。その様子をまとめましたのでどうぞご覧ください!
■色素胞は一種類
●赤色だけ
色素胞ってご存知でしょうか。イカの体表の色を決める細胞なのですが、だいたいイカには数種類の細胞があって組み合わせで体の色を表現します。
タルイカの体表を見ると赤の1種類しかありません。深場のイカなのでカラーバリエーションが少ないことが考えられます。
■吸盤はサイズの割に小さい
●第4腕が太くてスリットが入っている
吸盤は身体のサイズの割に意外と小さい感じです。
また特徴的なのが第4腕です。とても太く表皮部分が膜として広がっていました。
そこに吸盤の列ごとにスリットが入っていました。色んなイカを見てきましたが中々ないタイプですね。
■外套膜を腹面から開く
●イカは大体一緒、だよねw
解体に移ります。どこから包丁を入れようか戸惑いましたが、イカは同じですよねw
っということで外套膜腹面から刃を入れていきます。
デッカ。。。
メスですね。卵嚢線が確認できます。基本的にイカは性転換などは起きませんので生まれた時から性は決まっています。
■エラとエラ心臓
●イカには心臓が3つ
こちらがエラです。エラも長い。
墨で詰まってしまっていますが、この凹凸面で水を介して酸素を取り込んでいます。
エラのすぐ上についてるのがエラ心臓です。イカは血液を循環させる心臓とエラ心臓2つがあるので計3つの心臓を持っています。
■胃の内容物
●目立ったものは入っておらず、口球にはイカゲソが…
胃を見てみましたが残念ながらなにもはいっていませんでした。
ただ口球(カラストンビ)にはなんとスルメイカと思しきイカのゲソが!
小型のイカゲソが見えますよね。
やっぱりスルメのゾーンで釣って正解だったみたいです。
■星状神経節
●神経の集まったところ
こちらは星状神経節といいます。これは脳からの神経信号を外套膜に伝える大元です。
これが左右に2つあって、よく締める時に半分だけ締まることありますよね?あれはこの片方側だけが切断されたことを意味しています。
■骨登場
●エンペラを取るのには包丁が必要
骨が出てきました。想像通り、長いですねw
エンペラを切り落とします。皮がめちゃくちゃ厚いので、包丁で切り込みを入れてから引っ張り外します。
エンペラが外套膜の付け根まであることがこのイカの大きな特徴で、「ソデイカ」という名前が付いたみたいです。
■最後にブロック切り!
●冷凍して旨味が出るのを待ちます
あとは短冊状にして解体完成。
めちゃくちゃ疲れました!w
タルイカ は冷凍しないと旨味が出てこないという話をお聞きしましたので、ただ今冷凍中です。
食レポはまた後日!
乞うご期待^ ^