サッパはニシン科の魚で酢漬けにすると岡山の郷土料理でもあるママカリになります。そんなサッパにも寄生虫が付くことがあります。名前をサッパノギンカと言います。
■サッパノギンカ
●Anilocra clupei
サッパヤドリムシと以前は呼ばれていたのですが、分類の都合上ウオノギンカ属に分類され、標準和名はサッパノギンカとなったそうです。
このサッパノギンカですが、特異性が高くてサッパのみを宿主とするとみたいです。
■進化系統的に見ると
●エラ→口内→体表
ところで寄生虫と言えば釣り魚的に見ると真鯛によく見られるタイノエが有名ですよね。タイノエは口の中に寄生します。
実はこの寄生虫も種類によって寄生する場所が違います。
①エラの中
②口の中
③体表
です。マダイに付くタイノエが②の口の中なのは有名な話です。今回のサッパノギンカは③にあたります。
この3つのタイプの進化系統を遺伝的に見た論文がありまして、調べたところどうやら①→②→③の順番で進化していっている可能性が挙げられていました。
よってサッパノギンカは遺伝学的に見ると比較的新しいタイプの寄生虫となるわけですね。
というわけで、今回は寄生虫の正体を調べるというお話でした。釣果に直接的な影響はありませんが全ての生物に興味を持つスタイルでお送りします。