アカメチャレンジ2024を始動しました。もう何回も通っている高知県でありますが、2月の低水温期に訪れるのは今回が初めてです。そしてついに。。。
■低水温期のアカメ
●ストラクチャー・シモリ・付き場所
アカメを狙うにあたって考えることはまずポイントの絞り方です。大きく分けると2つに分かれ、一つは回遊狙いです。回遊してくるであろうポジションを選び、索餌してくるアカメを射程圏に迎え打つスタイルです。もう一つは障害物の釣りです。アカメはストラクチャーや沈み根、ブレイクラインなど変化のある立体物に身を寄せる傾向があります。そこに付いているであろう個体を狙うスタイルです。
低水温期のアカメは回遊しないとは言い切れませんが、春〜夏の様に動き回らないため、後者の習い方になります。
■DAY1〜下げ六分
●下げの潮が効いた中で
DAY1のスタートです。アカメが付いているであろうポイントに潮の流れを利用して流し込み、流れに乗せながらルアーを泳がせてバイトに持ち込むことをイメージしてエントリーします。
今回用意したメインルアーは2種類。サラナ147MAXとバスタージャーク150sです。ミノーとシミーフォールが可能なシンキングペンシルです。まずはバスタージャークからスタートします。
シンキングなのでレンジが任意で変えられるのでポイントの細かい水深やブレイクラインを頭に叩き込む作業も兼ねてこちらを選びました。下げの潮が効いてルアーがいい感じに馴染んでくれます。潮流が効いているのでリーリングスピードは1回転/2秒くらいで良さそうです。しかしノーバイトです。
タイミングさえ合えば食ってきそうな感じがしますがひとまず初日ということでミノーイングにも身体を慣れさせます。ただもともとサラナに関しては使い込んでいるので後はポイントとのすり合わせのみです。
ただここで一気に潮が緩くなってしまいます。干潮までは時間がありますし、もう少し効いてもいい気がしますがポイントのクセの様なものだと解釈します。ただ完全に止まったわけではないのでフローティングのメリットを使ってドリフトさせてから一気にスラッグを取ってリーリングに入るとゴンゴン!と弾く様なバイトが得られました。
一つ大きめの合わせを入れてファイト開始です。ただ一瞬でこちらに寄ってきます。これはアカメでは無いだろうと魚を見ると案の定スズキでした。ただまあまあサイズが良い!と思っていると足元でエラ洗いのちフックアウトとなりました。
アカメ狙いなだけに落胆した気持ちが魚に伝わってしまったのでしょう。そんな反省をしてDAY1を終了しました。
■DAY2とサラナチューニング
●シーバスゲットと答え
アカメという魚は通常頭を下げていることが多く、これまでの遠征でもそういった数々の個体を観察してきました。逆に頭を上げているシチュエーションは稀ではありますが、遭遇すると高確率でフローティングないしスローシンキングのルアーへ反応します。昨年の見えアカメに遭遇した時もその様な状況でした。
ただ頭を下げていたりボトム近辺に居るアカメが口を使わないかといったらそうではなくて、そういった時こそアングラーがレンジをコントロールしてアカメの口元に持っていく必要があると考えます。
そこでサラナ147MAXをチューンすることにします。目指すのはスローシンキング化です。というのも流れに乗せてポイントへ送り込んでリーリングをスタートする場合、フローティングとシンキングではリーリング開始時のレンジが変わってきます。
サラナはフローティングではありますが、潜行深度はとそれなりに深く潜ってくれます。しかし潜行するまでに何メートルかリーリングロスが発生するわけです。この数メートルを無駄にしたくなくて、リーリング開始時からすでに任意のレンジもしくはその少し上にルアーを置いておく狙いがあったのです。
というわけで鉛シートをお腹側に貼って調整します。同時にフックサイズを見直し、従来のアクションをできるだけ損なわない比重を作成しました。
サラナ147MAXチューニングの話はこちら→アカメ用サラナ147MAX スローシンキングチューン - Fishing Aquarium ~飼育員が創る釣り水族館~
上記のルアーを引っ提げてDAY2のスタートです。ポイントにエントリーすると良い感じで潮が効いています。ひとまずサラナ147MAXのノーマルチューンをチョイスします。流れに乗せて任意の角度からリトリーブスタートです。このパターンで食いそうな気がしますがバイトの無いキャストが続きました。そこでチューンしたサラナ147MAXにチェンジします。同じコース、着水からほぼ同じ様な秒数のドリフトを入れてリトリーブスタートです。前述の通りノーマルとの位置関係の違いはこの時点でレンジが下がっています。
リーリング数回転、ティップにルアーが泳ぎ出すのがしっかりとわかるタイミングでガツガツ!っと派手なバイトが出ると同時にファイト開始です。1発気持ち大きめのフッキングを入れてやり取りをします。直ぐにエラ洗いが始まって魚体が見えます。大型ですが魚種まではわかりません。流れに乗ってまずまずのファイトをしてくれます。DAY1のバラシが有りますのでランディングには気をつけて上手く誘導してフィッシュグリップイン!
サラナ147MAXのスローシンキングチューンに食ってきてくれたのは大型のスズキでした。
計測はしませんでしたが70クラスのシーバスでした。
■パターンがハマる
●ついにアカメがヒット
サラナ147MAXのスローシンキングチューンの1投目でのシーバスヒット。アカメ狙いに来ているわけですが、このポイント、このタイミングは捕食魚のレンジがこのルアーがドンピシャなのでは無いか?ということでこのチューンサラナMAXに絞って引き続きアカメを狙います。
次投、若干のミスキャスト。コースがずれたけどひとまず同じパターンで誘うもバイト無し。
次投、ドンピシャのコースにキャストが決まり着水後カウントダウン。潮に乗せてコースが決まりラインスラッグを瞬時に回収、リトリーブ開始。正直ここで食うと思いましたがバイト無し。そのままリトリーブで誘います。リーリングスピードは約2回転/秒、ルアーが泳いでいる感覚をティップで感じ集中します。着いているであろうゾーンをそろそろ通り過ぎるか?というタイミングで、
コン!コン!という鋭いバイト。
同時にバットまで乗る重量感。これはシーバスじゃない!頭を振るゴンゴンという感覚が無くなったタイミングで合わせを1発入れてファイト開始です。
直ぐにエラ洗いが始まります。だいぶ距離があるので魚種まではわかりません。サイズも小さくはない、そのくらいの感覚です。使用するメインラインはpe2.0号です。無理はしないけど行ける時は距離を詰めるスタイルで挑みます。
魚がこちら側に向かって走ってきたので一気に詰めます。すると2回目のエラ洗いです。デカい。先ほどは距離があったのでわかりませんでしたが大型魚です。ここでヘッドライトを点灯してライン角度、魚との距離を確実に把握します。
そして3回目のエラ洗い。もう目の前でド派手な水飛沫を上げるとともに真っ赤に光る眼球。アカメです。緊張が高まります。このエラ洗いの後、距離を詰めることができたのでランディングポジションへ誘導します。魚は目と鼻の先に居ます。掴みに行きたい気持ちをグッと堪えて、浅場まで誘導します。
水深が浅くなるにつれてエラ洗いもさらに激しくなりますが、耐えること2回。浅場へ上手く誘導して無事フィッシュグリップを下顎に、、、。
やりました。
ついについにアカメをこの手で取ることが出来ました。
感無量です。手足がガクガクと震えて上手く立てません。
フィッシュグリップを入れるまで、私はおそらく上手く呼吸出来てなかったと思います笑
人生初のアカメは上顎計測にて100cmのメーターアカメでした。
peライン2.0号に80lbと通常ではあり得ない太さのリーダーを入れていましたがこの通りです。
このシステムにしておいてよかったです。
真っ赤に光る眼球、体表粘液から香る独特の匂い。高知県汽水域の食物連鎖頂点に立つ威風堂々感には言葉が出ませんでした。
時間を掛けて蘇生をし、上手くリリースして今回の旅を終わりとしました。
このブログを読み返すと初めて高知県に訪れたのが2018年の10月でした。
気がつけば5年半の月日が経っていました。途中、高知県遠征自体辞めようかと何度も思いました。それでも諦めなくて本当によかったです。
この魚を釣れる高知の環境と、関わっていただいた方々、そして魚に対して感謝の気持ちでいっぱいです。
初アカメがスピニングタックルのミノーイング、しかもルアーは使い慣れたサラナ147MAX。お世話になっているSmithさんのルアーで釣れたことが何より嬉しかったです。フックを外す時に噛まれた手の痛みは、一生忘れません。
〜tackle data〜
rod Smith: KOZ.EX-S82M/2
reel Shimano:ツインパワーxd5000xg
line ygk:upgrade pe 2.0号
leader varibass ocean record 80lb
lure Smith:サラナ147max(チューニングあり)
fish grip Smith:easy fish grip