【エギング雑学】イカスミパスタとタコスミパスタ?それぞれの墨の性質と特徴

エギングをしていると誰しもが経験するイカスミジェット噴射。汚れるしマイナスなイメージしかありませんが、イカスミパスタが美味しいというのは有名ですよね。

 

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じゃあどうしてタコスミパスタは無いのか?今回はそれぞれの墨の特徴と性質について解説します。

■成分は何なのか?

●イカもタコも同じです。

イカとタコ。どちらも墨を吐く生物ですが、イカ墨とタコ墨に違いはあるのでしょうか?

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ご覧の通り、多糖類、脂質とイカもタコも同じです。

■どうしてタコスミパスタが無いのか?

●多糖類と脂質が少ないから

成分が同じならタコ墨もパスタに使ったら良いんじゃない?となりますが、イカ墨とタコ墨には圧倒的な違いがあります。

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多糖類と脂質の量が圧倒的にイカ墨の方が多いのです。

 

もうお分かりですよね?

 

イカ墨の方が美味しいのです。

■濃度と粘り気の違い

●イカ墨の濃度は高く、粘り気が強い

イカ墨とタコ墨は濃度と粘り気が全然違います。わかりやすいように簡単な実験をしてみました。

 

それぞれの墨を一滴ずつ水に垂らします。

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するとタコ墨はモワッと広がるのに対して、イカ墨は糸を引くように下に落ちていきます。

 

これはイカ墨の濃度と粘り気が高いことを意味しています。

■書道をしてみた

●イカ墨は本当に書けるんです

イカ墨とタコ墨で書道をしてみました。やり方は簡単で墨袋から各々の墨を搾り取っておきます。

 

後は筆で書くだけです。

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一目瞭然ですよね。イカ墨は濃度が高いのでしっかりと書けますが、タコ墨は濃度が低いのでシャバシャバで書けませんでした。

■イカとタコ墨を吐く目的

●擬態と煙幕

イカ墨とタコ墨の性質が分かったところで、墨を吐く理由を考えます。

 

どちらもびっくりした時に噴射するのですが、

 

イカは墨の濃度が高く粘り気があるので、広がりにくいです。それが興奮した体色のイカに見えることから擬態、いわゆる身代わりと言われています。

 

一方タコは濃度が薄いので吐いた後に墨が広がりやすいです。よって煙幕、目くらましとなります。

■エギングにおいて墨はマイナス要素なのか?

●吐く時の動きが周りのイカをおどろかせる

イカ墨を吐く瞬間を飼育員をしていると何度も目にします。

 

よくイカ墨をアオリイカは避けると言われていますが、私の観察する水槽内では避けるという感覚は見受けられません。(水槽はスペースに限りがあるので避けきれないのかもしれませんが)

 

それよりも、墨を吐くアオリイカの周りにいるアオリイカは、墨を吐く時に一時的なダッシュや方向転換を見せる行動そのものに驚いています。

 

驚くだけなら良いのですがそれが連鎖すると他のイカも墨を吐いて最悪な事態になります。

 

 

イカ墨についてだけでこれだけ述べる人も少ないのではないでしょうか?笑

 

エギングと直接的には関係しませんが、墨を吐くことも立派なアオリイカの行動です。

 

少しでもアングラーの皆さんにお役立ちできれば幸いです。